ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か イスラームをすこし理解するためにも。 :本と雑貨のお写真blog 忍者ブログ
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ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)内藤 正典 ヨーロッパとイスラーム―共生は可能か (岩波新書)
著者:内藤 正典 価格:¥ 735
岩波書店


4004309050



キリスト教社会・西欧文明・そしてイスラーム。この3つの複雑な関係が浮き彫りになる本です。相当ごちゃごちゃ絡まっていることがわかりやすい事例(主にスカーフ)を通して、よくわかります。


さて、複雑でごちゃごちゃなんで、どうまとめるか非常に困ったところなんですが・・・私がんばる!!うん。

ヨーロッパとイスラーム

  テーマ別

 聖俗分離(政教分離のこと)

ヨーロッパでは政治権力に教会が力を持つことを退けたという歴史を持つ。そして、いわゆる聖俗分離がなされ、政治は政治、教会は教会とされた。が、現実はキリスト教という存在が政治の中でもくすぶっている。一方イスラムにおいては今なお、人々の隅々までイスラームが浸透しており、それは政治においても不可分なものだ。たしかに、イスラームにも俗世主義は存在する。トルコなどの政治体制は俗世主義そのものである。イスラームの人々でもお酒を飲む人はいるし、礼拝をしない人はいる。しかしそれでも彼らはあくまでムスリムなのだ。イスラームがヨーロッパの求める俗世化をすることはない。そしてそこに、キリスト教寄りの人々(右派と呼ぶらしい)・聖俗分離を絶対とする人々・そしてイスラームの複雑な関係がそこに残る。



 イスラム教徒の女性にとってのスカーフとは
イスラム教徒の女性自身、人それぞれいろんなとらえ方をしている。

本来の意味では:髪の毛も肌も、本来隠すべき物だとされている。スカーフをとることは恥ずかしいこと、人間性を失うことだとされる。
女性抑圧のシンボル:独占欲の強いどっかしらの男性が、イスラームの名をかりてスカーフを身につけさせ、他の男性からの視線を遮る。男尊女卑の象徴
表現の自由の実践:西洋的な考えの表現の自由の基、イスラームを表現している。

どれも本当。だからヨーロッパでスカーフを禁止するとかしないとか、キリスト教徒の政治家が周りでごちゃごちゃ言っているのは、政治利用もいいところ。この問題は、個々で解決してゆくほかない。


注:以下を読むに当たって。十字架はキリスト教徒の身につける象徴的な飾り、パキはユダヤ教徒のもの、スカーフはイスラム教徒の物。すべて宗教的なシンボルである。



 スカーフから考える・・・ドイツのジレンマ編

学校の場でスカーフを禁止するかしないか・・・。左派の主張はこうだ。「すべての宗教的シンボルを学校からなくそう。」つまり、キリスト教徒の十字架もユダヤ教徒のパキも禁止。となるとどうなるか。キリスト教徒からは「ドイツの文化をないがしろにするのか?」と反発され、ユダヤ教徒からは左派系がイスラエルのパレスチナ政策に批判的だったのも相まって「反ユダヤ主義」ととられてしまう。キリスト教右派はスカーフを追い出したがっている。しかし十字架を禁止させるわけがないし、さらに右派である故パキを禁止させるのはユダヤ教徒から「ドイツは未だ反ユダヤ主義を克服できていない」と言われる。もしスカーフだけを禁止すれば完全なダブルスタンダードで、イスラムからの反発は強い物となろう・・・・・はい、どうしましょ?。
ドイツにおけるスカーフ禁止議論の背景には政教分離という原則論と、ドイツに複数の文化・宗教が立つことを容認したくないという感情が混在している。さらに、聖俗分離が出来ないイスラームと左派系のドイツ人との対立もあり、まさに・・・混沌



 オランダ編
軽傷です。ただ、最近一寸キリスト教右派も増えつつあるらしい。ただね・・・。オランダに来たイスラームの不寛容に対する(たとえばトルコ系のクルド人に対するものとか)対応が難しい。オランダは寛容がモットーだが、不寛容に対して、どうあるべきなのか・・・。ちなみに、不寛容なドイツに対して、オランダは不寛容だよ。

 フランス編
ごめん、あとは本読んで。



 右派の戦略
右翼の思っていることはこうだ。「ドイツはドイツ人の物だ」「移民は出ていけ」「ドイツに来たらドイツに見習え」「ドイツなんだからドイツの文化にしたがえ」

さぁ、この気持ちにうまく語りかける。ただし・・・差別発言をしてはいけないし、度が過ぎたら絶対反発を食らう。でだ。「ドイツは移民の国ではない。」「ドイツの文化・伝統を守ろう!」とかね、言うんですよ。
 フランスの場合こう。「移民出ていけ」→「彼らは国家をフランス語で歌わない。」これはフランスでは移民への差別発言としてとられない。フランス語をしゃべれることがフランス人としての条件だと思ってる人がおおいからだ。



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